基礎③ 人は誰でも嫌われる
統計学でわかる!人間関係のしくみ!
統計学にはイロハのイで正規分布という概念が出てきます。
正規分布を理解することは嫌われてはならないという感情と向き合う上でとても大事です。
正規分布とは何なのかと言うと、出現の多い中心があった時に、それから外れるにしたがって、だんだん出現が減っていく分布を意味します。
例えば、適当に池袋の交差点を渡る男性100人に体重計にのってもらうとします。
すると大体こんな感じになると思います。
~50キロ 5人 50~55キロ 10人 55~60キロ 15人 60~65キロ 20人 65~70キロ 15人 70~75キロ 10人 75~ 5人
すいません。精度はイマイチだと思いますが、中心に着目すると一番人数が多いことに気がつきませんか?
そして中心から離れるにしたがって人数が減って行くのです。
ここで重要なことは多くの社会現象や自然現象でもこれと同じことが起こりやすいということです。
社会現象に隠されたルール
もうひとつぐらい例を出しましょうか。
例えば昔中間テストとかがあったと思いますがそのとき学年100人の平均が60点ぐらいだったとしたら
- 100点 1人
- ~90点 4人
- ~80点 10人
- ~70点 15人
- ~60点 20人
- ~50点 20人
- ~40点 15人
- ~30点 10人
- ~20点 4人
- ~0点 1人
とかこんな風になっていたことが多くないですか?
100点が50人、ゼロ点が50人と言う感じでは分布しないのです。
世の中にある社会現象や自然現象はこんな感じで中心に出現するものが多いときに周りが段々減っていくパターンが多いのです。
人に嫌われるのは自然現象
実際心理のテストで様々な質問を取るとほとんどが正規分布をしています。
たまに偏りが激しすぎて統計的に参考にならないこともあるのですが(天井効果、フロア効果)、大概は正規分布をしています。
ここで人間関係ということについて考えてみましょう。
「自分自身が好かれているかどうか?」を考えるとその好意の度合いも正規分布している可能性が非常に高いのです。
例えば一番多いのが「少し好かれている人」で考えてみましょうか。
100人で考えてみます。
- 完全に好かれている 8人
- かなり好かれている 15人
- 少し好かれている 45人
- ふつう 15人
- 少し嫌われている 8人
- かなり嫌われている 6人
- 完全に嫌われている 3人
大体こんな感じになると思います。
これは自然現象としてしょうがないことなのです。
全員から嫌われることもまた不可能!
この人から嫌われるからくりを知ってからは
「ああ嫌われることがあるのはしょうがないことなんだ。」
と理解することができました。
誰からも嫌われないようにすることなんて現実的じゃない。
統計的にもありえないことなのですね。
だから人と接するときはある程度嫌われることも自然なことだとスッと腑に落ちたのです。
逆に言えば、一方で必ず自分のことを好きになってくれる人もいるのです。
これはかなりほっとさせてくれる現象です。
極論すればどんな悪行を働く人でも誰かしらからは好かれるのです。
よく重犯罪者と結婚したり、ファンクラブができるのも正規分布の典型だと言えます。
重犯罪者でさえ好かれるわけですから、普通にして基本を守っていれば自分に対して好意を持ってくれる人は必ず出てくるのです。
どんな人でも好かれるし、
どんな人でも嫌われる。
この2点を抑えておきましょう。