基礎⑨ 対人不安とうまく付き合う方法とは
流行りの心理療法!マインドフルネス療法とは?
前回までに、
- ①時に主張をしてみる
- ②悪い情報ばかりを集めない
- ③感情=事実ではない
という点について考えてきました。
嫌われることが怖い・・・と感じたら基本として上の3つのやり方を抑えておきましょう。
今回は4つ目のやり方として、マインドフルネス療法のやり方を覚えていきます。
ところでマインドフルネス療法ってなんだか名前が怪しいですよね(笑)。
個人的には“マインド○○”とか名前がつくと「うさんくせえなあ・・・」と思ってしまいます。
あっ。感情的決め付けになってしまっていますね!
気をつけないと。
さてさてマインドフルネス療法とは最近心理療法の世界で注目されてきている手法で、第3世代の心理療法なんていわれることもあります。
あえて感情をコントロールしない!
マインドフルネス認知療法の考え方は、一言でいうと「感情と共にある」という感覚を大事にすることです。
“共にある”とはどういうことかというと
例えば嫌われてはならないとか、嫌われたらどうしよう・・・
と感じたとしても、それを変えようとか、間違っているかな?とか、間違っていないかな?と言った価値判断をしない
ようにして、
その感情を持ちながら、やるべきことをやるという感覚です。
前回までに学んだ、
- ①時に主張をしてみる
- ②悪い情報ばかりを集めない
- ③感情=事実ではない
これらはどちらかと言うと、今の感情を改善することを目的として試行錯誤していくものです。
しかし、マインドフルネス療法ではそもそもそういった試行錯誤はしません。
感情は人間がもって生まれてきたものだからそれを無理にいじらず、自然なこととして受け止めていきましょう、と考えるのです。
簡単!感情を眺めるトレーニング!
感情って結構頑固ですよね。
怖いと思ったものは、怖いです。
嫌われるのが嫌だ!と思ったらそれはなかなか変えられません。
そこでマインドフルネス療法では、受け入れる練習をしていきます。
自分の感情を自然なこととしてあるがまま受け入れられるようにするのですね。
具体的な練習の1つとしては、感情を眺める練習があります。
例えば、親友に結婚式のスピーチを頼まれたとしましょう。
結婚式のスピーチなんてハードルが高いですよね。
スピーチをするときは、誰でも緊張してしまうと思います。
でも大事な親友のお願いです。
あがってもスピーチはすべきと考えたとしましょう。
結婚式では、スピーチのことで頭がいっぱいで順番が自分に迫ってくるにつれて「あがり」という感情が出てきます。
このとき“人”という字を書いてあがりを消そうとするのではなく、あがりを水辺に浮かぶ葉っぱの上に乗せて眺めてみるのです。
葉っぱに乗せてただ眺めてみる。
それだけです。
それを無理に動かしたりしません。
ただゆらゆら流れているのをみるだけです。
そうやって自分の感情を客観的に眺めて、「あがりながら」スピーチに挑戦するのです。
感情に評価をつけない!
あがってもいいのです。
あがるのは自然なことなのですから、あがりながらスピーチをするのです。
スピーチをすると、再び「恥ずかしい、失敗したらどうしよう」という感情も出てきました。
そうしたら、その感情も葉っぱに乗せてしまいます。
その感情はあたりまえの感情なので、そのまま共にありながら、やるべきスピーチをやるのです。
マインドフルネス療法ではこのように、感情を眺めるという訓練を大事にしています。
もしいま時間があったらどこか静かな場所に行って目をつぶってみましょう。
そして、自分の感情がいまどんな感情があるか想像して一つ一つ葉っぱの上に乗せてみてください。
そしてその感情を、「いい感情」「悪い感情」と決め付けずに共にあるという感覚を大事にしてみましょう。