基礎⑤ 主張する勇気は人間関係で必須
嫌われても大丈夫!と思える4つのテクニック
前回までに「嫌われる」ことがとても自然なことであるとお伝えしました。
「絶対に嫌われてはいけない」という感情はとても理不尽な感情であると理解して頂けたでしょうか。
しかし、そうは言っても「嫌われる」という感覚はなかなか取れない・・・という方もいらっしゃると思います。
この辺はとても難しいところですね。
「頭ではわかっていても、感情がそうはならない」。
心理学の永遠のテーマとも言える論題だと思います。
心理療法的にはさまざまなやり方がありますが、ここでは代表的な4つの対処法について提案をさせて頂きたいと思います。
もちろん、どのやり方もメリットとデメリットがあるので、最終的には自分にあったやり方を見つけるのがいいでしょう。
時に嫌われることを覚悟して主張してみる
1つ目のチャレンジは心理療法的に一番古いやり方です。
具体的には時に嫌われることを覚悟して主張してみると言うことです。
実際にチャレンジするという意味で行動療法という言葉を使ったりします。
いくら机の上で悩んでいても仕方がないから、実際に現場で嫌われることを覚悟して、自分なりの表現をしてみるのですね。
進んで嫌われるということではなく、自分の意見を大事にするために、建設的に主張して、結果的に嫌われることがあってもそれは仕方がないと受け入れながら主張するのです。
例えば、ちょっと苦手な上司の方がいたとします。
この上司が、いつも残業を命じてくるとしましょう。
その命令は毎日続きます。
あなたはサービス残業で限界にあるとします。
このとき「上司に嫌われてはならない」という気持ちを優先しすぎると自分の体や心を守れなくなります。
「嫌われてもかまわない」を実践!
そこで実際に「嫌われてもかまわない」を行動にして試してみます。
もちろん現実的なやりとりでいいと思います。
こんな感じですね。↓
「申し訳ありませんが、最近残業続きで効率が落ちていると感じます。
日中の業務の効率を上げたいので早めに帰宅して睡眠をとりたいと思いますが課長はどう思いますか?」
このような発言を「実際にやってみる」のです。
すると様々な結果がでると思います。
もしかしたら上司は激高するかもしれません。
でも意外とすんなり受け入れてくれるかもしれません。
この辺はケースバイケースなので皆さんの上司の性質によってチャレンジできるかどうかはもちろん変わってくると思います。
それでも「主張する」ことで初めて気付くことはたくさんあります。
気を使いすぎて疲れている人
もし上司が不機嫌になってしまったとしてもあなたは思い切って早く帰ってしまったとしましょう。
いつもより2時間早く帰宅すると本当に様々なストレス解消ができます。
ゆっくりテレビを見て、お風呂もゆっくり入って・・・睡眠もしっかり取れる。
結果的に日中の仕事の効率が向上して認められるかもしれません。
もう1つ例を挙げましょう。
例えば、気づかいをしすぎてしまうAさんがいたとします。
Aさんは、飲み会では相手の発言を肯定的に返し自分の意見と違っても、相手の発言に対していつも同意する、という癖がついていたとします。
Aさんは「嫌われてはならない」と緊張し、過剰な気遣いをしすぎてとても疲れ果てていました。
1度だけ否定する主張のテクニック
この時Aさんは次のことをチャレンジしてみることにしました。
それは今まで10回相手の意見を肯定していたのを1回だけ否定してみるという主張です
「嫌われてもいいから、自分なりの意見を伝えてみる」
と覚悟して、1回否定的な意見を言ってみたのです。
例えば「風立ちぬ」の映画は好みが分かれると思います。
A子さんはとても面白いと思ったのですが、B子さんはとてもつまらないと感じたとしましょう。
このとき、B子さんが
「“風立ちぬ“全然おもしろくなかったわ。途中で飽きちゃってなんだかメリハリのない内容だったなあ・・・」
と言ったとします。これに対してA子さんがいつもは次のように返していたとします。
「わかるわかる。なんだかメリハリなかったよね。私も眠くなっちゃった・・・」
これでは自分の気持ちに嘘をついていることになります。
たまにならいいかもしれませんが、毎回続けていたらいつも嘘をつかなくてはならないため会話が嫌いになってしまうでしょう。
否定は新しい発見を生み出す
そこでちょっと勇気を出して、次のように発言してみます。
「へえ~確かに○○な面では面白くないと感じたけど、私は○○シーンで感動したなあ~。
受け止め方は人それぞれね。
○○場面とかは絵が綺麗だったと思うけど、どう?」
これに対して相手は少し驚きつつも、自分の意見を言ってくれたA子さん対して
「なるほど。そういう見方もあるのか。」
と感じてくれるかもしれません。
主張して、人間関係のデトックスをしよう!
本当の人間関係というものは、ある程度お互いの意見を率直言い合えてこそ、健康だといえるものです。
片方が我慢し続けるという関係は、本当の人間関係ではなくどちらかの犠牲の元になりたっているものです。
B子さんのように適度に主張することは健康的な人間関係を保つ上でも効果的なのです。
注意点としては、主張することはリスクが伴うので、自分の人生において致命的なリスクがある場合は控えましょう。
また健康的レベルであればもちろん気遣いは大事です。
なんでも感でも自分の主張をするのではなく、メリハリも大事ですのでその点は注意しましょう。